子供の診察室
発熱
発熱は訴えの中では非常に多いものです。発熱を初期症状とする疾患は非常に多く 感染症の大部分は発熱を伴うが、実際にはウイルス感染によるものが多く、「風邪だ」 と言って、その大部分は自然に治ってしまいます。 しかし残る一部はいわゆる「風邪」でないことが、2〜3日して明らかになることもあります。 発熱の高さを正確に知ることは大切ですが、熱の高さは必ずしも重症度を示すものでは ありません。 
 熱型のタイプを知ることこそ大切なことです。 
敗血症や腎盂腎炎などは 「弛張熱」、突発性発疹や日本脳炎などは「稽留熱」のことが多いようです。

小児が発熱に伴いやすい症状と原因疾患
発熱 発疹 ウイルス性疾患に多い (薬疹にも注意)
関節痛 リウマチ熱・インフルエンザ・急性関節炎など
黄疸 流行性肝炎
耳下腺腫脹 ムンプス(おたふくかぜ)
頻尿 膀胱炎
頭痛 感冒・髄膜炎
リンパ節腫脹 アンギナ
その他 けいれん・嘔吐

発熱と合併症状から考えられる疾患
■急な発熱
 顔色良好 → 経過観察
 ■咳嗽 → 上気道感染症(かぜ症候群)
 ■呼吸困難 → 細気管支炎、肺炎
 ■顔色不良 けいれん → 熱性けいれん
呼吸が速い → 肺炎
ショック症状 (便の性状)→ 消化不良性中毒症、疫痢
 ■強い腹痛 → 急性腹症
 強い頭痛、嘔吐 → 髄膜炎
 ■1週間以上続く → 他の兆候なし → 悪性腫瘍?
■高熱+強い頭痛+吐き気
 ■嘔吐 → 頚部硬直 → 髄膜炎
 ■喉が痛い → インフルエンザ、アンギナ
■発 疹
 ■一度熱が出て、3日して下がり、その翌日また熱が出るとともに発疹→麻疹
 ■発熱より少し遅れて発疹 出血斑 → 敗血症
押すと消える → 風疹、水痘
 ■熱が続いて、下がると同時に発疹 → 突発性発疹

〔番外編〕おとなの診察室
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